CHINA INTERNET CENSORSHIP

中国のネット規制で使えないアプリ一覧|仕組みと代わりのアプリ

中国のネット規制で使えないLINE・Instagram・Google・YouTubeなどを民間の観測データで一覧にし、グレートファイアウォールの仕組み、WeChatや高徳地図など代わりのアプリ、規制の中で海外アプリを使う手段と準備が分かります。

情報確認日2026年10月23日

「中国はネットの規制が厳しいと聞くけれど、LINEやGoogleまで使えないのだろうか」。家族との連絡や仕事のメールが途切れないか、不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。グレートファイアウォールや金盾といった言葉の意味が分からず、どこまで準備すればよいか迷う気持ちも重なります。

そこで本記事では、中国のネット規制で使えない主なアプリを一覧で示し、規制の中で連絡・支払い・海外アプリを使う手段を整理しました。民間の観測データと公的機関や各社の公式発表にもとづくので、自分に必要な準備を判断できるはずです。

あわせて、規制の仕組みや最近の取り締まりの動き、VPNに関わる決まりも同じ流れで解説します。

中国のネット規制で使えない主なアプリ

中国本土では、LINE・Instagram・Xなどの海外のSNS、Googleの検索やGmail、YouTubeが、ふつうの回線からは使えない判定です。一方、Netflixのようにサイトは遮断されていない判定でも、サービス側が中国を提供地域から外しているものもあります。

主なサービスの判定は次のとおりです。中国本土からの接続を観測している民間の調査サイトGreatFireの判定で、2026年10月23日に確認しました。

種類サービス判定最終テスト
SNSLINE遮断2026年10月18日
SNSInstagram遮断2026年10月20日
SNSX遮断2026年10月18日
SNSFacebook遮断2026年10月18日
メッセージTelegram遮断2026年10月18日
動画YouTube遮断2026年10月20日
検索Google検索遮断2026年10月18日
メールGmail遮断2026年10月21日
地図Googleマップ遮断2026年10月18日
AIChatGPT遮断2026年10月19日
検索Bing遮断なし2026年9月28日
動画Netflix遮断なし2026年10月4日

Netflixはサイトが遮断されていない判定ですが、Netflix自身が中国を提供地域から外しています。判定は過去90日のテストの結果にもとづき、テストの回数はサービスごとに違います。状況は変わることがあるため、出発の直前にも確かめておきましょう。

LINEやInstagramなど海外SNSは遮断

GreatFireでは、LINE・Instagram・X・Facebookといった海外の主なSNSが、どれも「遮断」と判定されています。TelegramやDiscordなどのメッセージアプリも同じ判定です。

LINEについては、2014年7月ごろから中国本土で機能が妨害されたと、カナダの研究機関Citizen Labが報告しています。日本の家族や職場との連絡にLINEを使う人は、出発前に通信手段を決めておくことが欠かせません。

Google検索やYouTubeも遮断の判定

Googleの検索・Gmail・マップと、動画のYouTubeも、GreatFireで遮断と判定されています。Googleは2010年3月に中国本土向けの検索サイトを香港版へ切り替え、2014年12月には中国からGmailへの通信が急に減ったと米PBSが報じました。

Wikipediaも、英語版・中国語版・日本語版が遮断の判定です。調べものや道案内に使うアプリは、後の章で紹介する中国のアプリも入れておくと安心でしょう。

NetflixやChatGPTは中国で提供なし

Netflixのサイトは遮断されていない判定ですが、Netflix自身が中国をサービスを提供していない国に挙げているため、中国では見られません。ChatGPTは遮断の判定に加えて、OpenAIが利用できる国・地域に中国・香港・マカオを含めていません。

こうしたサービスは、つなぐ手段を用意しても、規約の上で使えないことがあります。使う予定があるなら、各サービスの提供地域を出発前に確かめておきましょう。

日本のサイトはページによって判定が分かれる

日本のサイトは、同じ会社でもページによって判定が分かれます。GreatFireでは、Yahoo! JAPANとNHKのトップページは遮断されていない一方、NHKの一部のアドレスやAmazon.co.jpは遮断と判定されています。

ただし、日本のサイトは判定できたテストが1〜3回と少ないものもある点に注意が必要です。仕事で欠かせないサイトがあるなら、つながらない前提で予備の手段を考えておくと慌てずに済みます。

アプリごとの準備は、中国でLINEを使う方法、中国でInstagramを使う方法、中国でGoogleを使う方法、中国でYouTubeを見る方法で詳しく確認できます。

グレートファイアウォールと金盾の仕組み

グレートファイアウォール(GFW)は、中国の国外とつながる出入口で、決められたサイトやアプリへの通信を止める仕組みの呼び名です。仕組みの全容は公表されておらず、分かっているのは研究者が外から測った範囲に限られます。

国外とつながる出入口で通信を止める仕組み

ブリタニカ百科事典は、GFWを、中国政府が国内の利用者向けにネット上の内容を監視・選別・遮断するための、規制と技術の仕組みと説明しています。国外のサイトへ向かう通信が出入口を通るときに、決められた行き先への通信だけが止められるイメージです。

ホテルや空港の無料Wi-Fi、中国で買ったSIMは、どれも中国国内の通信網を通ります。そのため、中国本土にいる間は、旅行者の通信もこの仕組みの影響を受けると考えておきましょう。

金盾は1998年に公安部が始めたとされる事業

金盾(金盾工程)は、ブリタニカによると1998年に中国の公安部が始めた、情報の流れを管理する事業です。その成果として生まれたのが、GFWと呼ばれる仕組みだと説明されています。

日本では「金盾」と「グレートファイアウォール」が同じ意味で使われることもありますが、金盾工程の始まりの年は資料によって説明が分かれます。ブリタニカの説明では、金盾は事業の名前で、GFWはその結果できた遮断の仕組みの呼び名という区別です。

住所録や宛名を見て接続を止める

研究者の測定によると、GFWは、ネットの住所録にあたるDNSにうその答えを返したり、通信の最初に送られる行き先の名前を見て接続を切ったりしています。2021年に発表された論文では、DNSの書き換えで検閲されたドメインが31.1万件見つかりました。

通信をすべて暗号化して中身を隠す回避用の方式(Shadowsocksなど)を見分けて止める手法も、2021年11月から使われていると2023年の論文が報告しています。手法は変わり続けているため、昨日まで使えたVPNが今日もつながるとは限りません。

中国で使われている代わりのアプリ

中国では、連絡にWeChat、検索に百度、地図に高徳地図のように、国内のアプリが海外のサービスの代わりに使われています。どれも中国の国内向けに作られたアプリなので、出発前に入れておくと現地で困りにくくなります。

連絡はWeChatが中心で約14億人が使う

中国での連絡は、テンセントのWeChat(中国名は微信)が中心です。テンセントの決算によると、中国国内版と海外版を合わせた月間の利用者は、2026年6月末時点で14億3,900万人でした。

深圳市の英語サイトの案内では、WeChatの登録にはSMSを受け取れる電話番号が必要で、すでに使っている人の認証を求められる場合もあります。現地で慌てないよう、日本にいるうちに登録まで済ませておきましょう。

SNSはWeibo、動画はBilibiliなど

中国では、Xに近いSNSとしてWeibo(微博)、動画ではBilibiliやYoukuなどが使われています。Weiboの決算では、2026年6月の月間の利用者は5億6,100万人でした。

ブリタニカも、遮断されている海外のサービスの代わりとして、WeiboやBilibiliなどの国内のアプリを挙げています。現地の話題やお店を調べるのに役立ちますが、投稿するときは後の章で触れる外務省の注意も意識してください。

検索は百度、地図は高徳地図が定番

検索は百度(Baidu)が中心で、海外の計測サービスStatCounterの推計では、2026年9月の中国の検索の約47%を占めました。地図は高徳地図(Amap)が広く使われ、2025年7月に中国語と英語に加えて日本語を含む14の言語を新しく追加したと、上海市政府の英語サイトが伝えています。

Googleマップは中国本土で遮断の判定なので、道案内用に高徳地図を出発前に入れておくと安心です。検索なら、遮断されていない判定のBingを使う方法もあります。

支払いはAlipayなどに海外カードを登録

中国の支払いはAlipayやWeChat Payといったスマホ決済が中心で、外国人旅行者も海外のクレジットカードを登録して使えるのが特長です。上海市政府によると、Alipayは主要な国際カード7ブランドの登録に対応しています。

中国人民銀行の説明では、2025年上半期にモバイル決済を使った入国者は1,000万人を超えました。海外の電話番号での登録も認められているため、決済アプリへの登録とカードの連携は日本で済ませておきましょう。

規制の中で海外のアプリを使う方法

中国本土で海外のアプリを使うには、スマホは海外用eSIMかローミング、ホテルのWi-FiやパソコンではVPNと、端末と回線で手段を分けて考えます。どの手段も確実とは言えないため、出発前に2つ以上を用意しておくのが現実的です。

主な手段の違いをまとめると、次の表のとおり。当サイトは中国での接続を実測しておらず、表は各社の公式案内と報道にもとづいています(2026年10月時点)。

手段使える回線出発前の準備主な注意点
国際ローミングスマホのデータ通信定額サービスの確認海外アプリの利用は案内なし
海外用eSIMeSIMのデータ通信購入と端末への追加ホテルWi-Fiでは効かない
VPNWi-Fiとデータ通信契約・アプリ導入・接続確認つながらない日がある
レンタルWi-Fiルーターにつないだ端末中国向け回線の予約容量プランは1日の上限あり

スマホは海外用eSIMかローミングで通信する

スマホで海外のアプリを使うなら、海外用eSIMか、日本の通信会社の国際ローミングが候補です。eSIMの事業者Airaloは、自社のeSIMの通信は中国本土の外にある出入口を通るため、VPNなしでブロックされたサイトを使えると説明しています。

ただしAiraloも、この説明はeSIMのデータ通信を使っているときに限ると明記しています。ローミングは、ソフトバンクやauが中国で使える定額サービスを用意していますが、中国で海外のアプリが使えるとまでは案内していません。

ホテルのWi-FiやパソコンではVPNを使う

ホテルのWi-Fiやパソコンで海外のアプリを使うなら、VPNが候補になります。Appleは2017年に中国のApp StoreからVPNアプリを削除したと報じられており、日本にいるうちに契約し、アプリを入れて接続を試しておくことが前提です。

Proton VPNは、中国で100%の安定を保証できるVPNはないと明記しています。サービスは中国向けVPNの比較で、料金や返金の条件を見比べられます。

香港のSIMは本土で開通できない例がある

2026年の報道によると、中国移動香港は6月17日からすべてのプリペイドSIMを、中国聯通は8月1日から新しく発行された本土ローミング付きのプリペイドSIMを、中国本土では開通できなくしました。使うなら、本土に入る前に香港などで開通を済ませてください。

香港のSIMは手軽な手段として紹介されてきましたが、条件はこのように変わることがあります。買う前に、販売元の最新の案内を確かめておきましょう。

出発前にアプリと2つ目の手段を用意する

出発前には、使うアプリへのログインと通信手段の用意を、日本にいるうちに済ませておきます。主な準備は次のとおりです。

  1. LINEやGoogleなど使うアプリにログインする
  2. Googleなどの2段階認証の予備を用意する
  3. eSIMかローミングとVPNの2つを用意する
  4. WeChat・高徳地図・Alipayを入れて登録する
  5. VPNは日本で接続まで試しておく

準備の順番は中国旅行のVPN準備チェックリストで確かめられます。

最近の規制の動きとVPNの決まり

ニュースで見る「清朗」の特別行動は、主に中国国内のSNSの投稿の取り締まりで、海外アプリの遮断やVPNを対象にしたものではありません。VPNについては、国が認めた経路以外の国際接続を禁じる規定がある一方、旅行者を名指しした公式な線引きはありません。

清朗の特別行動は国内のSNSの取り締まり

中国国家インターネット情報弁公室は、「清朗」と呼ぶ特別行動を毎年いくつも行っています。2026年も2月に春節のネット環境、7月に未成年者の保護などを対象にした行動を発表しており、名前に「ネット環境」を含むものもあります。

発表文の対象は、国内のSNS・短い動画・ライブ配信の投稿や、未成年者の保護などです。旅行者のつながりやすさを直接変えるものではありませんが、外務省は、国家秘密の範囲があいまいなため、入手した情報の共有や発信が違法とみなされる可能性があると注意しています。WeChatなどのSNSも通信が見られている可能性を意識して使うよう呼びかけているので、現地での発信には気をつけましょう。

規定は国が認めた経路以外の接続を禁じる

1996年に定められ、1997年に改正された国際接続の規定は、第6条で、いかなる組織や個人も国の国際出入口以外の経路で国際接続してはならないと定めています。第14条には、15,000元以下の罰金などの罰則があります。

中国工業情報化部は2017年1月、許可のない企業や個人が専用線やVPNで越境の電気通信事業を行うことを規制の対象と説明しました。同じ年の7月には、個人の未承認のVPN利用も取り締まりの対象と説明したと報じられました。広東省(2019年の報道、罰金1,000元)と河北省(2023年の報道、罰金200元と収入の没収)で処分が報じられた2件は、いずれも中国に住む人の例です。

2026年の法律の草案は道具の提供を禁じる案

中国の公安部は2026年1月、ネット犯罪を防ぐ法律の草案を公表し、意見を募集しました。草案の第44条は、国外から来る違法な情報を国が遮断すると定めたうえで、国の規定に反して、遮断された情報を他人が得たり広めたりするための機器・ソフト・サービスを作る・売る・提供することを禁じています。

この草案は、意見を募るために公表された段階のものです。VPNに関わる決まりは今後変わる可能性があるため、渡航前には最新の報道や公的機関の情報を確かめ、使うかどうかは自分で判断してください。

中国のネット規制でよくある質問

中国のネット規制について、出発前によく迷う点を3つの質問にまとめました。

香港やマカオも同じ規制がある?

香港とマカオは中国本土とは別の法律で運営されており、ブリタニカは本土より検閲が比較的ゆるいと説明しています。2024年にAppleが中国のApp StoreからWhatsAppなどを消したときも、香港・マカオでは引き続き入手できたとロイターが報じました。ただし、香港では規制が強まる可能性も指摘されており、ChatGPTのようにサービス側が香港・マカオを提供地域から外している例もあります。香港での通信は香港旅行のVPNガイドで解説しています。

ホテルのWi-Fiなら海外のアプリは使える?

ホテルのWi-Fiは中国国内の通信網を通るため、そのままではLINEやGoogleなどは使えません。VPNをつなぐか、Wi-Fiを切って海外用eSIMのデータ通信に切り替える方法が、各社から案内されています。

日本のニュースサイトは中国で見られる?

ページによって分かれます。GreatFireでは、Yahoo! JAPANとNHKのトップページは遮断されていない判定ですが、NHKの一部のアドレスは遮断の判定でした。よく見るサイトがあるなら、VPNなどの手段も用意しておくと安心です。

まとめ

中国本土では、LINEやInstagramなどの海外のSNS、Googleの検索やGmail、YouTubeが、ふつうの回線からは使えない判定になっています。現地では、WeChatや高徳地図、Alipayといった国内のアプリが代わりに使われています。

海外のアプリを使うには、スマホは海外用eSIMかローミング、Wi-FiではVPNと、2つ以上の手段を用意するのが現実的です。まずは、使うアプリへのログインと通信手段の用意を、日本にいるうちに済ませてください。

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