GOOGLE IN CHINA

中国でグーグルは使えない?Gmail・地図を使う方法と出発前の準備

中国本土で使えないGoogleのサービス(検索・Gmail・マップ・ドライブなど)を観測データで整理し、国際ローミング・海外用eSIM・VPNなど使う方法の違いを解説。2段階認証やオフライン翻訳など出発前の準備も分かります。

情報確認日2026年10月23日

「中国ではGoogleが使えないと聞いたけれど、Gmailや地図、翻訳まで全部だめなのだろうか」。仕事のメールが止まったり、現地で道に迷ったりしないか、不安が先に立つ方もいるでしょう。VPNやeSIMのどれを用意すればよいのか、迷う気持ちも重なります。

そこで本記事では、中国本土で使えないGoogleのサービスと、使えるようにする5つの方法を、観測データや各社の公式案内をもとに整理しました。2段階認証やオフライン翻訳など、出発前に済ませておく準備も分かるので、現地で慌てずに済みます。

あわせて、Googleの代わりになる地図・検索のアプリや、中国でVPNを使う前に知っておきたい決まりも同じ流れで解説します。

中国本土で使えないGoogleのサービス

中国本土では、Googleの検索・Gmail・マップ・ドライブなど主なサービスが、ふつうの回線からは使えないと考えてください。ただし、翻訳やカレンダーのように「つながることもあるが不安定」と判定されているサービスもあり、状態はサービスごとに違います。

検索・Gmail・マップ・ドライブは遮断の判定

中国本土からの接続を観測している民間の調査サイトGreatFireでは、Googleの検索・Gmail・マップ・ドライブ・Playストアが「遮断」と判定されています。Googleの検索サイトは直近10回のテストがすべてつながらず、最終テストは2026年10月4日でした。

ホテルや空港の無料Wi-Fi、中国で買ったSIMはどれも中国国内の通信網を通ります。仕事でGmailやドライブを使う人は、後で紹介する通信手段を出発前に用意しておきましょう。

翻訳・カレンダー・ログインはつながりが不安定

Google翻訳・カレンダー・ログイン画面は、同じサイトで「遮断」ではなく「不安定」と判定されています。ただし、翻訳とログイン画面は2026年10月、カレンダーは9月のテストで、どれも通信への干渉が確認されており、ふつうに使えるとは言えない状態です。

主なサービスの判定は次の表のとおり。テストの回数や時期はサービスごとに違い、表は2026年10月23日時点の観測結果です。

サービス判定最終テスト
Google検索遮断2026年10月4日
Gmail遮断2026年10月17日
Googleマップ遮断2026年9月24日
Googleドライブ遮断2026年8月15日
Google Playストア遮断2026年8月16日
Google翻訳不安定2026年10月18日
Googleカレンダー不安定2026年9月28日
Googleのログイン画面不安定2026年10月6日

判定はGreatFireの観測によるもので、テストが1回だけのサービスもあります。どれも中国本土のふつうの回線では当てにできないと考え、準備を進めましょう。

香港版のGoogle検索も中国本土からは遮断

香港版や日本版のGoogle検索も、中国本土からは遮断と判定されています。GreatFireでは、香港版(google.com.hk)と日本版(google.co.jp)のどちらも、2026年9月のテストでつながりませんでした。

一方、Googleは、Google Playの電子書籍などの提供地域に香港と台湾を含めています(中国本土は含まれません)。香港旅行での通信の注意点は香港旅行のVPNガイドを参考にしてください。

Googleが中国本土で使えなくなった経緯

Googleは2010年に中国本土向けの検索サイト(Google.cn)を香港版へ切り替え、2022年には中国本土向けの翻訳サービスも終えました。Gmailなどのサービスも、2014年ごろから中国本土で使えない状態が報じられています。

2010年にGoogle.cnを香港版へ切り替えた

Googleは2010年3月22日、中国本土向けの検索サイト(Google.cn)の訪問者を香港版の検索サイトへ転送したと公式ブログで発表しました。同年1月には、中国本土での事業の進め方を見直すと公表していました。

その後、2014年12月には中国からGmailへの通信が急に減ったと米PBSが報じています。Googleは2019年、中国で検索を始める計画はないと説明しており、これはその時点での方針です。

2022年に中国本土向けの翻訳も終了した

Googleは2022年10月、中国本土でのGoogle翻訳のサービスを終えたと発表しました。AP通信によると、Googleは理由を「利用の少なさ」と説明しています。

2026年10月の観測でも、翻訳サイトへの接続は不安定と判定されています。中国で翻訳を使いたい人は、次の章で紹介するオフライン翻訳などを出発前に用意しておくと安心です。

Google Playも中国本土からは使えない

AndroidのアプリストアであるGoogle Playも、中国本土からは遮断と判定されています。2014年の米PCWorldの記事も、中国でGoogle Playへのアクセスが遮断されていると伝えていました。

そのため、Androidのスマホを使う人は、VPNや中国で使いたいアプリを日本にいるうちに入れておく必要があります。iPhoneでも、2017年に中国のApp StoreからVPNアプリが削除されたと報じられており、出国前の準備が欠かせません。

中国でGoogleを使う方法

中国本土でGoogleのサービスを使う方法は、国際ローミング、海外用eSIM、VPN、レンタルWi-Fi、香港SIMの5つです。中国の規制は変わることがあり、Proton VPNやMillenVPNも中国で安定して使えるとは限らないと案内しているため、1つに頼らず組み合わせるのが現実的でしょう。

国際ローミングは日本の通信会社の料金で使う

国際ローミングは、日本で使っているスマホをそのまま海外で使う方法で、料金の仕組みが分かりやすいのが特長です。ただし、中国でGoogleが使えるかは通信会社が案内していないため、ローミングだけに頼らず予備も用意しておきましょう。

ソフトバンクの「海外あんしん定額」では、中国は24時間980円でデータ量に上限のない「定額国L」の対象です。auの「au海外放題」は、中国本土では事前予約で24時間1,000円、予約なしで1,200円かかります。どちらも2026年10月時点の内容で、auは2027年2月から料金体系を変え、ソフトバンクも2027年春以降に24時間10GBを超えたときの速度制限を始める予定です。

海外用eSIMは事業者が中国対応をうたう

海外用eSIMは、スマホに旅行先用の回線を追加するもので、中国向けの商品では、Googleなど中国で遮断されているサービスも使えると案内する事業者があります。Airaloの説明では、自社のeSIMの通信は中国本土の外にある出入口を通るため、VPNなしでブロックされたサイトを使えるとのことです。

ただしAiraloも、この説明はeSIMのデータ通信を使っているときに限り、ホテルのWi-Fiには当てはまらないと明記しています。事業者の説明で、中国の規制が変われば状況も変わりうるため、予備の手段も持っておきましょう。

VPNは出国前の契約とアプリ導入が前提

VPNでGoogleを使うなら、日本にいるうちに契約し、アプリを入れて接続を試しておくことが欠かせません。Proton VPNは、出国前にアカウントの作成からログイン、接続の確認まで済ませることを、最も効果的な対策と案内しています。

前の章のとおり、中国本土ではアプリを入手しにくいためです。Proton VPNは、中国で100%の安定を保証できるVPNはないとも明記しています。サービスは中国向けVPNの比較で比べられるので、契約前に目を通してください。

レンタルWi-Fiと香港SIMの注意点

レンタルWi-Fiを使うなら、中国向けの規制に対応した回線かを申し込み前に確かめます。グローバルWiFiの案内は、中国向けの「特別回線」なら中国でアクセスできないSNSやアプリも使える一方、規制などで使えないサービスが増える可能性もある、というものです。

香港の携帯会社のSIMは、2026年の報道によると、中国移動香港が6月17日からすべてのプリペイドSIMを、中国聯通が8月1日から新しく発行された本土ローミング付きのプリペイドSIMを、中国本土では開通できなくしました。使うなら、中国本土に入る前に香港などで開通を済ませてください。

5つの方法の違いをまとめると次のとおりです。当サイトは中国での接続を実測しておらず、表は各社の公式案内と報道にもとづいています(2026年10月時点)。

方法出発前の準備使える範囲主な注意点
国際ローミング定額サービスの確認スマホのデータ通信料金と上限は会社ごとに違う
海外用eSIM購入と端末への追加eSIMのデータ通信ホテルWi-Fiでは効かない
VPN契約・アプリ導入・接続確認Wi-Fiとデータ通信つながらない日がある
レンタルWi-Fi中国向け回線の予約ルーターにつないだ端末容量プランは1日の上限あり
香港SIM本土に入る前の開通SIMのデータ通信2026年に開通条件が変更

出発前に済ませておくGoogleの準備

出発前には、Googleアカウントの2段階認証の予備を用意し、翻訳の言語をダウンロードし、中国の地図アプリなどの代わりを入れておきます。どれも現地では手続きしにくいため、日本にいるうちに1週間ほど余裕を持って始めるのが安心です。

2段階認証は認証アプリと予備コードを用意

Googleアカウントに2段階認証を設定している人は、SMS以外の確認方法を出発前に用意しておきましょう。Googleのヘルプは、位置情報などログインの状況が普段と違うと、SMSで確認コードを受け取れないことがあると説明しています。

認証システムのアプリは通信がなくてもコードを作れますが、ログインの選択肢に表示されるまで最長7日ほどかかります。1回ずつ使える8桁のバックアップコードを10個作り、印刷して持っておくと、スマホをなくしたときの備えにもなるでしょう。

翻訳の言語は日本でダウンロードしておく

Google翻訳を使いたいなら、日本でWi-Fiにつないでいるうちに、日本語と中国語(簡体字)の言語データをダウンロードしておきます。Googleのヘルプによると、言語をダウンロードしておけば、インターネットにつながっていなくても翻訳できる仕組みです。

ダウンロードは、翻訳アプリで言語を選び、言語の横のダウンロードのアイコンを押すだけです。ただし、中国本土で必ず使えるとは公式に書かれていないため、筆談や中国の翻訳アプリなど別の手段も考えておきましょう。

オフラインマップは電車や徒歩のルートが出ない

Googleマップのオフラインマップは、中国での移動の頼りにはしにくい機能です。Googleのヘルプは、契約上の制限などの理由で一部の国や地域ではダウンロードできないとしており、中国本土が対象かは明らかにしていません。

さらに、オフラインのときは公共交通機関・自転車・徒歩の経路が表示されないと説明されています。電車や徒歩で移動する旅行なら、次に紹介する中国の地図アプリを主に使うのが現実的です。

高徳地図やBingを代わりに入れておく

地図は、中国で広く使われている高徳地図(Amap)を出発前に入れておくと安心です。上海市政府の英語サイトによると、高徳地図は2025年7月に多言語版を始め、日本語を含む14の言語を追加しました。

検索は、中国本土からも遮断されていないと判定されているBingが代わりになります。海外の計測サービスStatCounterの推計では、2026年9月の中国の検索の約47%が百度で、Googleは2%未満でした。

仕事でGmailやドライブを使うなら通信が要る

出張でGmailやGoogleドライブを使う人は、オフラインの備えだけでは足りません。メールの送受信やファイルの共有には、中国の外を通る通信手段が必要です。

会社のパソコンやアカウントを使う場合は、VPNを入れる前に勤務先の情報セキュリティの決まりも確かめておきましょう。出発前の準備の順番は中国旅行のVPN準備チェックリストで確かめられます。

中国でVPNを使う前に知りたい決まり

中国の規定は、国が認めた経路以外での国際接続を個人も含めて禁じています。当局は個人の未承認のVPN利用も取り締まりの対象と説明したと報じられており、旅行者を名指しした公式な線引きはありません。

規定は国が認めた経路以外の接続を禁じる

1996年に定められ、1997年に改正された中国の国際ネット接続の暫定規定は、国の通信網が用意した国際出入口を使うよう定めています。第6条の中身は、いかなる組織や個人も、自ら別の経路を作ったり使ったりして国際接続してはならない、というものです。

違反した場合の罰則として、第14条には15,000元以下の罰金などが定められています。条文の上では、個人も対象に含まれると読める書き方です。

旅行者向けの公式な線引きは無い

中国工業情報化部は2017年1月、許可のない企業や個人が専用線やVPNで越境の電気通信事業を行うことを規制の対象と説明しました。貿易会社や多国籍企業が業務で必要な場合は、認められた通信事業者から回線を借りれば影響しないとしています。

一方で同じ年の7月には、取り締まりは個人や国内企業が未承認のVPNを使うのを止めるためだと説明したと報じられました。旅行者についての公式な目安は日本の外務省も示していないため、使うかどうかは現地の法令と各サービスの規約を確かめて自分で決める必要があります。

処分が報じられたのは中国在住者の例

ここで紹介する2件は、いずれも中国に住む人の例です。2019年の報道では、広東省の男性が国際ネットワークへの不正な接続を理由に1,000元の罰金を科されました。

2023年には河北省で、VPNを使って海外企業の仕事をしていたプログラマーが、収入の没収などの処分を受けたと報じられています。旅行者にそのまま当てはまる例ではありませんが、規定が個人に適用された例があることは知っておきましょう。

中国のGoogleでよくある質問

中国でGoogleを使うときによく迷う点を、3つの質問にまとめました。

ホテルのWi-FiならGoogleは使える?

ホテルのWi-Fiは中国国内の通信網を通るため、そのままではGoogleの主なサービスは使えません。VPNをつなぐか、Wi-Fiを切って海外用eSIMのデータ通信に切り替える方法が各社から案内されています。ローミングについては、Googleを使えるとまで案内している通信会社は無いので、VPNとeSIMのように2つの手段を用意しておくと安心です。

中国ではBingなら使える?

中国本土からの接続を観測しているGreatFireでは、Bingは国際版・中国版とも遮断されていないと判定されています(2026年9〜10月のテスト)。Googleの代わりの検索手段として、出発前にブラウザのブックマークなどに入れておくと便利です。

GeminiなどGoogleのAIは中国で使える?

GoogleのAI「Gemini」のサイトも、2026年8月のテストで中国本土からは遮断と判定されています。Googleが示すGeminiの利用可能な地域の一覧でも、中国本土は仕事用のGoogle Workspaceに限った扱いになっていました。

まとめ

中国本土では、Googleの検索・Gmail・マップ・ドライブがふつうの回線からは遮断と判定され、翻訳やログイン画面もつながりが不安定です。使うには、国際ローミングや海外用eSIM、VPNなどを出発前に用意し、1つに頼らず組み合わせるのが現実的です。

あわせて、2段階認証の予備や翻訳の言語データ、高徳地図などの代わりのアプリも日本で入れておきましょう。まずはGoogleアカウントの2段階認証の設定を見直すところから始めてください。

参考文献

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中国向けの公式案内、初回総額、更新条件、返金条件を比べられます。

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