HOW TO CHANGE IP ADDRESS

IPアドレスを変更する方法|スマホ・PC別の手順と変わらない原因

IPアドレスを変更する方法を、サイトから見えるグローバルIPと家の中のローカルIPに分けて解説。ルーター再起動・回線切り替え・VPNと、Windows・Mac・iPhone・Androidの手順、変わらないときの原因まで分かります。

情報確認日2026年10月23日

「IPアドレスを変更したいのに、ルーターを再起動しても同じ番号のまま」。そもそも自分が変えるべきなのはどのIPなのか、設定をいじってネットにつながらなくなったらどうしようと、不安が先に立つ方もいるでしょう。VPNを勧める記事ばかりで、本当に必要なのか迷う気持ちもあるはずです。

そこで本記事では、サイトから見えるグローバルIPと家の中のローカルIPを見分けたうえで、それぞれの変え方を、無料で試せる順とスマホ・PC別の手順で紹介します。自分の悩みに合う方法から試せるので、遠回りをせずに済むはずです。

あわせて、IPが変わらないときの原因や、変える前に知っておきたい規約・無料VPNの注意点も同じ流れで解説します。

変えるべきはグローバルIPかローカルIPか

IPアドレスには、Webサイトから見えるグローバルIPと、家の中だけで使うローカルIPの2種類があり、どちらを変えるかで方法がまったく違います。地域の制限やブロックが悩みならグローバルIP、家の機器がつながらないならローカルIPを変えると考えてください。

グローバルIPはサイトから見えるネット上の住所

グローバルIPは、インターネットの中で重なることのない、ネット上の住所にあたる番号です。総務省は「インターネットにおいて、全世界で固有の番号を持つIPアドレスのこと」と説明しています。

個人の場合、この番号はプロバイダから一時的に割り当てられたもので、利用者が自由に選べるわけではありません。Webサイトのアクセス記録には接続元のIPアドレスが残るため、サイトが「どこからのアクセスか」を判断するときに使うのはこの番号です。

ローカルIPは家の中だけで使う番号

ローカルIPは、家庭や会社のネットワークの中だけで使う番号で、プライベートIPとも呼ばれます。「192.168.」で始まる番号が代表的で、ほかに「10.」や「172.16.」から「172.31.」で始まる範囲も、ローカルIP用に決められた番号です。

家のスマホやパソコンがネットに出るときは、ルーターがローカルIPをグローバルIPに置き換えます。家族全員の端末が外からは同じ1つのグローバルIPに見えるため、端末のローカルIPを変えても、サイトから見える番号は変わりません。

悩みごとに変えるIPと方法が決まる

どちらのIPをどの方法で変えればよいかは、悩みの種類で決まります。代表的な組み合わせは次のとおりです。

悩みごと変えるIP主な方法
接続元の国や地域を変えたいグローバルIPVPN
お金をかけずに一度変えたいグローバルIPルーター再起動・回線の切り替え
家のプリンターやゲーム機がつながらないローカルIP端末の設定変更

地域の制限が悩みなのに端末のIP設定を変えても、外から見える番号は同じままです。逆に、家の機器のトラブルはVPNでは直りません。まず自分の悩みがどちらに当たるかを確かめてから、次の章に進んでください。公衆Wi-Fiで通信を守りたい場合は、IPを変えることではなく、VPNによる通信の暗号化が役に立ちます。

グローバルIPアドレスを変更する方法

グローバルIPを変える方法は、お金をかけずに試せる順に、ルーターの再起動、回線の切り替え、VPNの3つが基本です。国を選んで変えたいならVPNが向いているでしょう。

ルーターの再起動で変わることがある

家の回線のグローバルIPは、ルーターやモデムを再起動して接続し直すと変わることがあります。総務省は、個人利用者の場合は「プロバイダから一時的にグローバルIPアドレスを割り当ててもらいます」と説明しており、接続し直すと別の番号が割り当てられる場合があるためです。

ただし、再起動すれば必ず変わるわけではありません。固定IPの契約では同じ番号が割り当てられますし、v6プラス(MAP-E方式)では、グローバルIPv4が決まった規則で自動に決まります。何度試しても変わらないときは、契約の内容をプロバイダに確かめてください。

Wi-Fiとモバイル回線を切り替える

スマホなら、Wi-Fiを切ってモバイル回線に切り替えるだけで、サイトから見えるグローバルIPが変わります。家のWi-Fiとモバイル回線では、番号を割り当てているプロバイダや通信会社が違うためです。

出先で別の回線のWi-Fiにつなぎ直した場合も、そのWi-Fiの回線のIPに変わります。手軽な方法ですが、選べるのは手元にある回線だけで、国や地域を選ぶことはできません。

VPNなら接続先の国を選んで変えられる

VPNを使うと、サイトから見えるIPがVPNサーバーのIPに置き換わり、アプリで接続先の国を選ぶだけで変えられます。EFFの説明によると、VPNは暗号化したトンネルで通信をVPNのサーバーへ送り、利用者のIPアドレスを隠す仕組みです。

変わるのは接続しているあいだだけで、VPNを切れば元のIPに戻ります。暗号化によって公衆Wi-Fiでの盗み見の対策にもなり、IPAも2016年の資料で、公衆無線LANを安全に使うポイントの1つ目にVPNの利用を挙げているほどです。VPNの基本はVPNとは何かを解説した記事で確かめられます。

プロキシとTorは仕組みと限界が違う

プロキシやTorでも見えるIPは変わりますが、経由するサーバーの数と、通信を見られる相手がVPNとは違います。3つの違いは次のとおりです。

方法経由するサーバー通信を見られる相手向いている使い方
VPNVPN会社のサーバーVPN会社日常の利用・公衆Wi-Fi
プロキシ代理のサーバー1台プロキシの運営者一時的な確認
Tor3つ以上の中継サーバー1台では経路の全体が分からないより強い秘匿

Tor Projectは、1台だけのプロキシでは、運営者が利用者の正体と閲覧内容の両方を知りうると注意しています。Torは少なくとも3つのサーバーを経由し、どの中継も経路の全体を知らない仕組みです。

iCloudプライベートリレーは地域を保つ

iPhoneでは、iCloud+の機能であるiCloudプライベートリレーを使うと、Safariで見るサイトに本当のIPアドレスを隠せます。通信は2つの中継を通り、サイトには一時的なIPアドレスが見える仕組みです。

ただし、Appleは既定でおおよその位置が都市レベルで保たれると説明しており、別の国のIPに見せる用途には向きません。一部のサイトでは、ログインのときに追加の手順が必要になる場合もあります。

ローカルIPアドレスを端末で変更する方法

ローカルIPは、端末のネットワーク設定で「自動」を「手動」に切り替え、番号を入力すると変えられます。ただし、Microsoftは自動 (DHCP) を推奨としており、Appleが勧めるのも、ルーターが番号を配るDHCPを有効にした設定です。手動にするのは、家の機器のトラブルを切り分けるときなどに限るのが安全です。

Windows 11は「IP設定の編集」から

Windows 11では、設定アプリの「ネットワーク & インターネット」→「Wi-Fi」→「既知のネットワークの管理」から、変えたいネットワークを選びます。「IP 割り当て」の横の「編集」を押すと「IP 設定の編集」が開くので、「手動」を選んで番号を入力し、「保存」で完了です。

有線でつないでいる場合は、「Wi-Fi」の代わりに「イーサネット」から同じ画面に進めます。Microsoftが推奨しているのは、ルーターが番号を配る「自動 (DHCP)」の設定です。

Macは「TCP/IP」の「IPv4を構成」から

Macでは、アップルメニューの「システム設定」→「ネットワーク」で使っている接続を選び、「詳細」→「TCP/IP」を開きます。「IPv4を構成」を「手入力」にすると、IPアドレス・サブネットマスク・ルーターを自分で入力できる仕組みです。

Appleのガイドでは、自動のときは同じ欄で「DHCPサーバを使用」を選びます。入力が終わったら、画面の指示に従って設定を確定してください。

iPhoneはWi-Fiの情報画面から

iPhoneでは、「設定」→「Wi-Fi」で接続中のネットワーク名の横にある情報ボタンを押し、「IPを構成」を「手動」にして番号を入力します。ルーターメーカーのNECの案内では、先に今のIPアドレス・サブネットマスク・ルーターの値をメモしておくのが最初の手順です。

NECの案内では、IPアドレスはルーターの番号と同じ数字にし、最後の数字だけを変えます。家の中の別の機器と同じ番号にすると、どちらか、または両方がつながらなくなることがあるため、使われていない番号を選ぶことが欠かせません。

Androidは「IP設定」を「静的」にする

Androidでは、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「インターネット」で接続中のネットワークの設定アイコンを押し、「詳細設定」の「IP設定」を「静的」にします。NECがGoogle Pixelで確かめた手順では、この画面でIPv4アドレスと、ルーターの番号にあたる「ゲートウェイ」を入力して保存すれば完了です。

古いOSでは「インターネット」が「Wi-Fi」と表示されるなど、機種やOSの版で画面の名前が違うことがあります。見つからないときは、設定アプリの検索で「IP」と入れて探してみてください。

手動にした設定は自動に戻せる

手動にした設定は、同じ画面で自動に切り替えれば元に戻ります。Windows 11は「IP 設定の編集」で「自動 (DHCP)」を、Macは「IPv4を構成」で「DHCPサーバを使用」を選んでください。

iPhoneとAndroidも、手動に切り替えた欄で選び直すのが基本ですが、表示名は機種やOSの版で違います。トラブルの切り分けが終わったら、自動に戻しておくと番号の重なりを防げるでしょう。

IPアドレスが変わらないときの原因と確かめ方

IPアドレスが変わったかどうかは、変更の前後で同じ方法で表示を見比べて確かめます。変わらないときは、契約や接続方式の都合か、そもそもIP以外の情報で判定されている場合を疑ってください。

変更の前後で表示されるIPを見比べる

グローバルIPは、IPアドレスを表示する確認サイトを変更の前と後に開き、番号と国の表示が変わったかで判断します。Netflixのヘルプによれば、fast.comで表示される国名が実際の場所と違うときは、VPNが有効になっている可能性があるとのことです。

ローカルIPは、Windows 11ならWi-Fiのプロパティの「IPv4 アドレス」、iPhoneならWi-Fiの情報画面で確かめられます。VPNを使ったときの確かめ方はVPNでIPアドレスはどう変わるかを解説した記事がくわしいです。

固定IPや接続方式によっては変わらない

ルーターを何度再起動してもグローバルIPが変わらないときは、固定IPの契約か、v6プラスのようなIPv4 over IPv6の方式を使っている可能性があります。固定IPは再接続しても同じ番号が割り当てられる契約で、v6プラス(MAP-E方式)ではグローバルIPv4が決まった規則で自動に決まります。

ローカルIPが再接続しても同じなのは、ルーターが一定の時間その端末に番号を取っておくためです。Appleは、家庭のルーターではこの時間を8時間にする設定を勧めています。

IP以外の情報で判定されることもある

IPを変えたのにサービスの制限が外れないなら、IP以外の情報で判定されている可能性があります。アカウントを作った国、登録した電話番号やカード、ログインのときの確認コードは、IPを変えても変わりません。

Netflixの利用規約(2026年4月10日更新)も、主にアカウントを作った国の中で視聴するよう定めています。IPを変えて解決するのは接続元の地域の判定までと考え、それ以上の手続きは各サービスの案内に従ってください。

IPアドレスを変える前に知りたい注意点

IPアドレスを変えても、誰が使っているかまで隠せるわけではなく、配信サービスの規約や無料サービスの危険もそのまま残ります。変える前に、次の3点を押さえておくと失敗を防げます。

IPを変えても匿名になるわけではない

IPを変えても変わるのは見える住所だけで、誰が使っているかが分からなくなるわけではありません。米国の電子フロンティア財団(EFF)は「A VPN is not a tool for anonymity」と明記し、VPN会社からは通信が見えるとも注意しています。

サービスにログインすれば、IPに関係なくそのアカウントの持ち主として扱われます。Cookieや端末の情報による追跡も、IPの変更では止まりません。

配信サービスはVPN経由の視聴を制限している

動画配信サービスには、IPを変えて別の国の作品を見るような使い方を、規約やヘルプで制限しているところがあります。Prime Videoの利用規約(2026年8月26日更新)は、場所を隠したり偽ったりする技術を使ってはならないと定めています。

2026年10月に確認したDAZNの日本向けヘルプの案内も「DAZNにアクセスする場合、VPNは使用いただけません。」というものです。規約に反した使い方は、視聴の制限やアカウントの停止につながる恐れがあります。規約は改定されるため、使う前に各サービスの最新の案内を確かめてください。

無料VPNや公開プロキシは運営元を確かめる

無料のVPNやプロキシは、運営元とお金の得方が確かめられないものは避けるのが安全です。オーストラリアのCSIROなどの研究チームが2015年9月にAndroidのVPNアプリ283本を集めて分析した約10年前の研究では、通信を調べたアプリの18%が暗号化しない方式を使っていました。

米国のFBIなどは2024年、海賊版のゲームやソフトに同梱された無料VPNを通じて、190か国以上の1,900万を超えるIPアドレスが犯罪の踏み台にされたと警告しています。IPを隠すつもりが、自分のIPを他人に使われる側に回る危険があるわけです。選び方は無料VPNの危険性の記事にまとめています。

IPアドレスの変更でよくある質問

IPアドレスの変更でよく迷う点を、5つの質問にまとめました。

Wi-Fiを変えるとIPアドレスは変わる?

別の回線のWi-Fiにつなぐと変わります。サイトから見えるグローバルIPはそのWi-Fiの回線の番号になり、ローカルIPもそのWi-Fiのルーターから割り当てられる仕組みです。同じルーターのWi-Fi名を2.4GHzと5GHzで切り替えただけでは、グローバルIPは変わりません。

VPNを切るとIPアドレスは元に戻る?

戻ります。VPNでIPが置き換わるのは接続しているあいだだけで、切断するとプロバイダから割り当てられた元のグローバルIPで通信します。

IPアドレスから住所は分かる?

IPアドレスだけで番地まで分かることはなく、分かるのはおおよその地域や、番号を割り当てた組織までです。契約者の氏名や住所はプロバイダが持つ情報で、権利侵害の被害者が開示を求める場合も、情報流通プラットフォーム対処法に基づく手続きが必要になります。

ルーターの再起動やVPNの利用でIPが変わること自体は、日常的な操作です。ただし、サービスの規約が禁じる使い方をすればアカウント停止などの対象になり、不正アクセスのような違法な行為はIPを変えても違法のままです。

プライベートWi-FiアドレスでIPは変わる?

変わりません。iPhoneのプライベートWi-Fiアドレスは、Wi-Fiの中で端末を見分けるMACアドレスを変える機能で、サイトから見えるグローバルIPとは別物です。iOS 18以降は「オフ」「固定」「ローテーション」から選べます。

まとめ

IPアドレスを変えるときは、まずサイトから見えるグローバルIPと、家の中だけで使うローカルIPのどちらを変えたいのかを見分けることが出発点です。グローバルIPはルーターの再起動や回線の切り替えで変わることがあり、国を選んで変えたいならVPNが向いています。

ローカルIPは端末の設定で手動にすれば変えられますが、用が済んだら自動に戻しておきましょう。まずは今のIPを確かめ、変更の前後で表示を見比べるところから始めてください。

参考文献

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接続できる国や同時接続台数、支払総額から、自分に合うVPNを比べられます。

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